あたりに漂う

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  • 麻痺まひしかけた音楽が、少しよどんだ水のようにあたりに漂っていた。 ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
  • 最後の一頭がそばを通りかかると汗臭さがあたりに漂った。 ムーア『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』より引用
  • いま思いだしても、ついこのほおのあたりに漂って参ります。 神西清『雪の宿り』より引用
  • 夏の暑さで腐乱した死体の臭いがうっすらとあたりに漂っていた。 坂東眞砂子『旅涯ての地(上)』より引用
  • しかし、あたりに漂っているもうもうたる土ぼこりは予期していなかった。 ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書4』より引用
  • フックが二人の前、頭の高さのあたりに漂ってきた。 K・H・シェール『地球への追放者』より引用
  • 鍋の中には、もう大量の鰹節が投入され、出汁のいい匂いがあたりに漂っている。 椹野道流『鬼籍通覧6 亡羊の嘆』より引用
  • と、アイダはあふれんばかりのやさしさを、その丸い肩のあたりに漂わせた。 森瑤子『望郷』より引用
  • そしてあたりに漂いはじめた夕闇のように、彼らの意識しないところから這い寄ってくる黒い影をぼんやりと意識していた。 綱淵謙錠『斬(ざん)』より引用
  • 肩のあたりに漂うものでそれがわかる。 森瑤子『デザートはあなた』より引用
  • あきらめの感じがわずかに彼女の首すじのあたりに漂っている。 森瑤子『TOKYO愛情物語』より引用
  • 耀子は言葉を探すように、しばらく視線をあたりに漂わせていたが、やがてこう言った。 今邑彩『蛇神』より引用
  • 入浴を終え、淡い香水の匂いをあたりに漂わせて、みずえは夫に抱かれた。 胡桃沢耕史『翔んでる警視正 平成篇2 ゴンドラの花嫁』より引用
  • 眼や口がそれぞれの位置にもどり、部厚い自信がどっしりとした肩のあたりに漂いかけている。 開高健『ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短篇小説』より引用
  • 水戸からもってきて植えられた庭の梅が、かぐわしい香をあたりに漂わせている。 半藤一利『幕末辰五郎伝』より引用
  • 私も家に歩きかけて、あたりに漂うほのかな芳香に気がついた。 坂東眞砂子『葛橋』より引用
  • 日を浴びてまだ暖かい木や革のにおいが、あたりに漂っていた。 パトリシア・コーンウェル『検屍官』より引用
  • 無感動な、いくぶん物に倦きたような翳がその目から口もとのあたりに漂っている。 栗本薫『真夜中の天使2』より引用
  • ビスケットの香りが、あたりに漂うと、男たちは二人とも深い息をしてそれを吸った。 スタインベック/大久保康雄訳『怒りの葡萄』より引用
  • 走って戻って来たのだろう、うっすらと汗ばんでいて、男の体臭があたりに漂って来る。 平岩弓枝『御宿かわせみ 26 長助の女房』より引用